解決事例報告

借地借家Q&A その1(家賃の値上げ)

2018.10.03 谷真介

みなさんにとって身近な法律問題である借地借家について,Q&A方式で解説したいと思います。


借家について2年に1度の更新時期がきています。家賃はこれまで3万円でしたが,大家さんから「近隣の家賃の水準より低いから」と4万円に値上げをする,応じないのであれば出て行って欲しいと言われています。応じないといけませんか。


値上げに納得できなければ,応じる必要はありません。

家主は,家賃が近隣の家賃と比較して不相当になったときは,賃借人に対して家賃の増額を請求することができます(借地借家法32条1項)。しかし,一方的に値上げができるわけではありません。賃借人が納得できない場合には,これに応じる必要はありません。家主としては,賃借人から値上げの同意が得られない場合には,裁判所に家賃の増額請求をしなければならないのです。
値上げに納得できない場合には,これまでの家賃(3万円)を支払えば良いです。家主から「3万円の家賃であれば受け取らない」と言われた場合には,毎月,管轄の法務局に3万円の家賃を供託してください。家主に受領を拒否されているからといって,家賃を支払わないまま放っておけば,「家賃不払い」として契約解除される危険があります。家主が本当に家賃増額の裁判を起こしてきたときは,弁護士に相談して対応しましょう。
また賃借人が家賃の増額に応じないことは借家の契約の更新を家主が拒否する「正当事由」にもならず,これを理由に退去させることもできません。「正当事由」については,次回以降のQ&Aで解説します。