解決事例報告

長時間労働に加え上司が暴力。被害届を出し慰謝料請求の裁判

2010.10.14 谷真介

相談者は魚の卸売店の店員2名で,一人は配達の方,一人は併設の料理店の店員の方でした。

当初の相談は1人が,仕事が長時間労働できつくて辞めたいけど辞めさせてもらえないという相談で,もう1人が長時間労働に加え,店長から暴力を受けているので辞めたいという相談でした。

また2人とも,理由なく一方的に給料を天引きされているということでした。2人双方に,有休届を出して有給休暇を全て消化した後に,退職届を出して辞めること,退職までの間にタイムカードをコピーできる分はコピーして保存することを指示し,暴力を受けた1名の方には傷の写真を撮って,また病院を受診して診断書をとり,それを持って警察に行きすぐに被害届を出すよう指示しました。

タイムカードについては一部しかコピーできませんでしたが,2人の退職後に,残業代請求,天引き分の未払い賃金の請求,暴力行為(パワーハラスメント)による慰謝料請求で裁判を起こしました。

こちらがタイムカードの一部の写しを出したにもかかわらず,会社は最後まで会社にタイムカードは存在しなかったなどと無理な嘘をつきましたが,2人の当事者本人尋問で残業時間の立証をし,相手方社長や店長の反対尋問で証言の矛盾を明らかにしました。

その上で,店自体の経営が相当程度傾いていたという事情もあって判決で勝っても現実に支払を受けられるかのリスクがあったため,裁判上の和解という形で会社から2名に大部分の支払を受けて解決をしました。