解決事例報告

在日コリアンの遺産分割

2017.08.14 安原邦博

当事務所が所在する大阪は,在日コリアンが大勢住む街です。人は誰しもいつか死ぬ…ということで,私が解決した韓国籍の方の遺産分割について報告いたします。

 

突然ですが,相続の際に適用される法律は,亡くなった方(被相続人)の本国法によるのが原則なことをご存知でしょうか(法の適用に関する通則法36条)。

 

ですので,亡くなった方の住民票の「国籍・地域」欄が「韓国」とあれば,原則,大韓民国の法律が適用されることとなります(例外もあるのでご注意を)。

 

韓国民法と,日本民法とでは,遺産を受ける人が誰になるのか(法定相続人の範囲)や,どの割合で遺産を受けられるのか(相続分)等が異なり,少々ややこしいです。

 

10年以上前に亡くなった父(韓国籍)の遺産について,私に相談にきたXさん。Xさんは,相続人と思っていた全員と遺産分割協議をしていました。そのうちの一人には,亡父よりも先に亡くなっていた長男の妻,Yさんもいました(韓国民法では法定相続人の配偶者にも代襲相続権があります)。

 

Xさんは,Yさんが途中から遺産分割に非協力的になり,困っていたことから,私に相談にきたのでした。

 

私がXさんから依頼を受けて,相続の資料を確認したところ,Yさんは,夫(被相続人である亡父の長男)が亡くなった後に再婚しているので,代襲相続権がなくなっていることが判明しました。

 

つまり,遺産分割は,非協力的なYさんを除いてすればよかったことが判明したのです。

 

これにより,私から各相続人の方々へコンタクトをとって,無事,Xさんは遺産分割を完了することができました。

 

相続は,法律家でないとわからないこともあります。悩んだら是非ご相談を!!