解決事例報告

悪質リース商法について、リース会社への損害賠償請求が認められた事案

2012.12.14 名波大樹

10年ほど前から、電話機やコピー機などを高額でリースをさせるという消費者被害・悪質商法が増えましたが、このような事件について、大阪地方裁判所で平成24年7月27日、リース会社の責任を認める判決が下されました。

リース契約というものは、一般の方には非常にわかりにくい契約です。例えば電話機買う場合、購入(売買契約)するのではなく、リースをするとなると、電話機を販売する販売会社から電話機を受け取り、代金はリース会社に対して月々払うということになります。

電話機の所有権が、リース料を払い終わるまでリース会社に残ったままである点はレンタルと同じですが、途中解約できない点については分割払い(割賦販売)と同じです。

「販売会社が詐欺的なセールストークをしたとしても、リース会社には責任がないから、リース料は最後まで支払わなければならない」というのがリース会社の主張でしたが、今回の大阪地裁の判決は、リース会社の責任を認めました。

「リース会社が販売店の違法行為を知り、又は知り得たにもかかわらず漫然と顧客とリース契約を締結したというような特段の事情が認められる場合には、リース会社は、販売店に違法な営業活動がないかを調査し、必要に応じて、両者の法律関係及び経済的影響力に応じた指導・監督をすべき注意義務があったものとして、不法行為責任を負う」というのが大阪地裁の判断でした。

「リース契約」という契約は法律上何も定められていません。消費者を保護する割賦販売法も適用されないため、法律上、消費者保護が十分に図られておらず、悪質商法がはびこることとなりました。今後は、このリース契約に対する規正法の制定が必要です。