解決事例報告

手形・小切手を担保にするヤミ金融。少しでも早く弁護士に相談を

2010.09.08 名波大樹

相談者は個人事業を営んでいる方ですが、非常に高金利のいわゆるヤミ金融から借入をしていました。しかも普通のヤミ金融ではなく、手形・小切手を担保に取るヤミ金融でした。

このヤミ金融の手口は、例えば、50万円を貸してくれる代わりに、30万円の小切手3通を被害者に振り出させて預かり、1週間ごとに30万円を返済しないと「小切手を回して不渡りにするぞ」と脅しをかけて返済を迫ります。年数100%にも達する非常な高金利で、もちろんそのような高金利の貸付は出資法違反の犯罪です。しかしこれらのヤミ金融は電話やFAXを使って足が着かないようにしながら貸付をしているため、なかなか所在がわかりません。

中小零細企業の方々にとっては手形・小切手は最大の泣き所であり、不渡りになると事実上の倒産となることもあり、不渡りにならないように必死で返済をしようとします。

相談者は「今日返済をしないと不渡りになってしまう。なんとかしてほしい」と駆け込んでこられました。

この種の手形・小切手ヤミ金(従来はシステム金融と呼ばれていました)は、弁護士等の法律家が間に入ると、ほぼ全ての業者が手形・小切手を変換してきます。自分たちが犯罪を犯していることがわかっているため、法的追及を恐れているのです。

なかには手形・小切手を回してくる業者もありますが、異議申立預託金を積むなどして不渡りを回避することもできます。

この相談者についても、弁護士名で通知を出すと全ての業者が小切手を返還し、相談者が業者に対して払ってきたお金を返してきた業者も複数ありました。

不渡りの心配から解放され、一部返金を受けてそれを事業資金に充てることもでき、その後は、苦しいながらも事業を続けておられます。

一部返金を受けることができるとはいえ、全ての被害を回復することは困難であるため、被害が拡大する前に、少しでも早く弁護士等の法律家に相談することが大切です。