解決事例報告

業務委託契約で個人事業主になれと、雇用期間途中で解雇

2009.01.27 鎌田幸夫

ある会社で製品の販売促進活動に従事していた契約社員ら(契約期間は1年ですが、契約更新が繰り返され、長い人で10年間、短い人でも2年間勤務)が、会社が担当業務を全く別の業者に外注(アウトソーシング)に出すという理由で契約期間の途中で解雇されたという事案です。

契約社員らは、その外注業者と業務委託契約を締結して個人事業主となるように言われましたが、全員が拒否して会社相手に解雇無効を理由として、従業員としての地位確認を求める裁判を提訴しました。

会社は裁判において、契約書では「契約期間途中においても当事者の都合で契約を解除できる」という条項があるので解雇は有効であり、期間途中の解雇が無効であるとしても予備的に期間が満了した時点で雇止めをすると主張してきました。

裁判所は、判決で、期間途中解雇と雇止めのいずれも、解雇や雇止めの必要性がなかったとして無効であると判断しました。なお、平成20年3月施行の労働契約法17条では契約期間途中の解雇はやむを得ない事由がなければ無効であることが明記されました。

最近、いすゞ自動車で問題となった期間社員の期間途中解雇は労働契約法17条からすると到底認められるものではないのです