解決事例報告

消費者問題 その4 内職商法、マルチ商法

2018.05.24 名波大樹

1 「仕事に必要だから」という理由で商品を買わされた場合

(1)例えば、着物の展示会場で働こうとしている人が、
「ここで働くためにはこの着物を買って、着てもらう必要がある」
と言われて高額の着物を買わされることがあります。
また「この商品を買って、モニターとして感想を毎月書いてくれれば、モニター料を支払う」
と言われて商品を買ってしまうことがあります。
このように、「ある仕事を提供してあげるから、それに必要な商品を買いなさい」
と言われて契約した場合(業務提供誘引販売)にも、特定商取引法による規制があります。

(2)クーリング・オフ
クーリング・オフができる点は、訪問販売などと同じですが、
その期間は、契約をしてから20日間と、長く設定されています。
これは、ビジネスになれていない消費者が、
その仕事で本当に利益が得られるかどうかを判断するためには一定の期間が必要と思われるため、
このように長期間のクーリング・オフ期間が設けられています。

2 マルチ商法

(1)例えば「うちの会社の組織に入って、健康食品を販売したり、
いっしょに販売する人を勧誘して入会させれば、紹介料などがもらえる」などと勧誘され、
契約をしてしまう、いわゆる「マルチ商法」(連鎖販売取引)というものがあります。
最近では「ネットワークビジネス」という呼び方もされています。
「ネズミ講」と似ていますが、少し違う商法です。
(この連鎖販売取引にあたるかどうかは、判断が複雑で難しいため、
わかりにくい場合はご相談ください。)

(2)クーリング・オフ
この連鎖販売取引についても、内職商法と同様に、
クーリング・オフができる期間として、20日間という長い期間が設けられています。
本当にこのビジネスで利益を出すことができるかどうかを消費者が判断するためには、
一定の期間が必要だからです。