解決事例報告

相続の基礎Q&A3「相続財産」

2020.04.23 西川翔大

Q3.【相続財産】

私の夫が亡くなりました。夫の財産として、不動産(土地建物3000万円)、預貯金300万円、生命保険(受取人は妻(相談者))がある一方で、夫の弟の借金200万円の連帯保証人にもなっていたようです。また、夫の間に子どもが一人いますが、その子が夫の死後、預貯金50万円を下ろして費消していたようです。どの範囲で相続することになるのでしょうか。

 

A 不動産、預貯金300万円、200万円の連帯保証人としての地位が相続財産の対象となります。

① 相続財産の対象

相続が開始すると、被相続人の財産に属した一切の権利義務は、原則として相続人がすべて承継します。したがって、相続財産には、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も含まれます。そのため、不動産、預貯金だけでなく、借金の連帯保証人としての地位も承継します。連帯保証人としての地位は、妻と子で2分の1に分割して100万円ずつ承継し、承継した範囲で債務者(夫の弟)と連帯債務者となります。一方、生命保険金は受取人(妻)固有の財産であると考えられているので、相続財産には含まれません。

② 預貯金の払戻し

遺産分割前に無断で払い戻された預貯金債権について、従来金融機関の口座は被相続人の死後凍結し、単独で払戻しすることは認められませんでしたが、2020年4月からは相続法の改正により、相続した預貯金の3分の1である50万円(300万円✕1/2✕1/3)は払戻しすることができる「預貯金の仮払い制度」が新設されました。この場合、払戻を受けた者以外の相続人の同意があれば払い戻された預貯金債権も遺産分割時に遺産として存在するものとみなされ、払い戻した分は遺産分割により取得したものとみなされます。