解決事例報告

退職後、残業代の計算方法がおかしいこと、基本給も不当に切り下げられていることがわかり…

2013.05.30 中村里香

Fさんは、正社員(店長)として勤務していた飲食店を退職後、残業代の計算方法がおかしいのではないかということで、未払い残業代を請求できないか相談に来られました。

Fさんの会社では、タイムカードにより出退勤管理がされており、タイムカードは給与明細に添付される方式であったため、既に確保できていました。

タイムカードと給与明細を確認したところ、残業については、1時間あたりの単価が、Fさんの時間割賃金を大幅に下回る金額(時期によって異なりますが,600円や900円)で計算されているなど、一見して明らかな違法がありました。

そこで、Fさんの給与明細等にもとづいてこちらで適正な金額を計算し、既に支払われた分との差額を請求することとしました。

また、Fさんの基本給についても、何らの正当な理由なく、途中から約4分の3に一方的に切り下げられているという違法が見つかったため、切り下げられた差額についても請求することとしました。

本件については、Fさんが早期解決を望まれていたことから、労働審判を申し立てました。相手方からは答弁書が出ましたが、第1回期日前に全ての反論についてこちらから再反論を行い,主張を尽くした上で期日に臨みました。

その結果、第1回期日でFさんの納得できる水準での和解が成立し、本件は解決に至りました。

早期解決という労働審判のメリットを生かすため、申立てに当たって詳細な主張立証を出し尽くし、期日に臨んだことが奏功した事案だったといえます。