解決事例報告

DVの元夫から「子どもに会いたい」…暴力を思い出し精神的に不安定、会いたくない時どうすれば?

2009.06.30 鎌田幸夫

Xさんは、前の夫のYさんの暴力が原因で離婚し、未成年の一人娘Aちゃんを引き取り、親権者となりました。離婚調停の際には、面接交渉については、特に協議されていませんでした。

ところが離婚後、しばらくしてから、YさんからAちゃんとの面接交渉の申立がありました。しかしXさんは、Yさんから婚姻中、暴力(DV)を受けており、それが原因でPTSDとなり、現在も定期的に通院しています。

Xさんから、Yさんのことを考えるだけで、昔受けた暴力を思い出して、精神的に不安定になり、できれば面接交渉をさせてたくないという相談がありました。

一般的には、離婚した夫にも子に対する面接交渉権はありますが、面接交渉に伴う心理的負担によってXさんのPTSDを悪化させて、ひいてはAちゃんとの生活を不安定にし、子の福祉に反するような場合には、面接交渉をさせなくてもよいとされることがあります。

この事案では、年1回のAちゃんの写真を離婚した夫に送るという内容の調停が成立しました。